ドルコスト平均法の正しい知識

長期的な資産形成の手法としてメジャーな「ドルコスト平均法」についておさらいしてみましょう。

投資といえば「ドルコスト平均法」と言ってもいいくらい非常によく耳にします。

実際、手軽に始めることができるので、初心者の方にもおすすめです。

◆まずドルコスト平均法とは?

ドルコスト平均法とは、株式や投資信託などの金融商品における投資手法の一つです。

日々価格変動する金融商品を一度に購入するのではなく、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法です。

この手法で金融商品を購入し続けた場合、価格が低いときの購入量は多くなり、価格が高いときの購入量は少なくなります。

例えば投資信託などで積み立てを行う場合、買付金額が一定のため、

価格が高いときには購入量を少なく
価格が安いときには購入量を多く

といった買い付けにより、結果的には毎月一定量を買う方法よりも買付単価が平準化し、「平均買付単価」を抑える効果があります。

ドルコスト平均法は、長期資産形成に向いている手法です。老後の資産形成を始めたいと思ってる方にもおすすめです。

◆ドルコスト平均法のメリット

①リスクを抑えた継続的な投資ができます。

投資の知識のない初心者の方も、毎月自動的に積み立てながら買う仕組みなら長期の継続が可能です。
価格の動きに左右されることなく、同じ金額を買い続けると、高いときには少し、安いときにはたくさん買うことができます。

価格が下がればたくさん買えますし、また逆に価格が上がれば、少ししか買えません。そのため価格が上昇しているときに、うっかり高い価格でたくさん買ってしまうということはありませんので、安心して続けていけます。

②始めるタイミングはいつでもOK

はじめたいときにいつでもスタートできます。
価格に左右されることなく、同じ額を買い続ける投資法なので、高いときにはじめたら少しの量だけ買うようにして、平均買付価格の上昇を抑えることができます。

③日々の変動価格は気にしなくいい

一括投資というとどうしても「いま価格がいくらか」「上がった!下がった!」と常に気にしないといけないイメージがありますが、

ドルコスト平均法は、積み立てを止めて売るときまでは、価格は気にする必要はありません。正確にいうと長期運用することでのメリットがありますので、日々の変動を気にしてもあまり意味がありません。

価格が下がれば量をたくさん買い、価格が上がれば少ししか買わないということを繰り返し、買付価格を均して変動リスクをおさえられます。

④初回にまとまった資金がなくてもできる

コツコツ積み立てながら買う方法なので、最初にまとまった額のお金を用意する必要はありません。
大切なのは長く続けることです。

はりきって多めの額でスタートする人もいますが、おすすめしません。毎月無理のない範囲で続けられる金額から始めてみてください。

しばらく様子見て、もう少し増やそうと思えば、金額の増やしていくのがおすすめです。

⑤面倒な手間は不要
「いつ買うか」など値動きを気にしないといけないタイプの投資だと、初心者の方には難しく、精神的な負担になります。

毎月自動積立をする投資であれば、基本、申し込みをしたら特に何もせず、運用を任せて待つだけなので、時間を取られる心配がありません。

⑥時間をかけるほど増える可能性がある

長期間運用することでのメリットは、買うタイミングを分けることで、価格が下がっているときにたくさんの量を買える事、つまり複利効果を味方にできるということです。自分が支払った元本だけでなく、運用で得た利益も再投資されることで、雪だるま式に資産を成長させられます。

そのため、コツコツ長く続ければ、短期の投資よりも増える可能性が大きいです。

もちろんドルコスト平均法にもデメリットはあります。短期で大きな資金を得たい人は難しい手法になりますので、デメリットについてもよく理解しておきましょう。

①タイミングを選べない
ドルコスト平均法は、あらかじめ決めた日にだけ買う仕組みです。価格が上昇したこの時に!というような投資はできません。

しかし、短期投資では、買える量も少ないため、価格上昇の恩恵もたくさんは受けられないでしょう。
積立投資は、長くじっくり資産を育てるためのものだと考えてください。

②手数料の負担が大きくなる場合がある。

手数料は、銀行や証券会社などの販売会社がそれぞれ独自に定めています。

分けて投資していくものなので、購入時の手数料が高い場合は、負担が多くなってしまします。商品を選ぶ際には、必要なコストの負担感もきちんと確認が必要です。

③時間がかかる

ドルコスト平均法は、長い時間をかけて少しずつ積み立てながら、効率的にたくさんの量を買っていく手法です。したがって結果が出るまでには時間がかかり、より長期投資に向いています。

④爆発的に増えることはない

相場が上昇していても、積み立ての手法では爆発的に増えることは難しいです。積立投資は、毎回決めた金額の範囲内で買える量だけを買います。価格が高いときは少しだけ買って価格の平準化をはかろうとするため、上昇相場でもたくさんのリターンは得られません。

余裕がある人は、積立投資以外に一括投資を併せて行うのも良いでしょう。

◆では、ドルコスト平均法による資産形成に向いていない人はどんな人でしょうか?

①時間がない人or時間をかけたくない人
ドルコスト平均法は長期投資なので、時間がある人に向いています。時間をかけずすぐ儲けたいという方には全く向いていません。

②すぐに結果を出したい人
ドルコスト平均法は長期的にコツコツと増やしていく投資方法なので、一攫千金を夢見る人には向いていません。

向いていない人がわかった所で、ドルコスト平均法による資産形成に向いている人はどんな人でしょうか?

①時間がある人or時間をかけられる人

②すぐに結果を求めない人

その2つに当てはまる人はドルコスト平均法による資産形成に向いているので、早速始めてみましょう!

◆ドルコスト平均法による資産形成の初めかた

とても簡単です。
運用対象となる金融商品を決めて、それを毎月、毎週といった期間を決めて定期的に一定額ずつ購入し続けるだけです。

運用対象には株や投資信託、外貨などがありますが、長期投資が前提なのでなるべくリスクの低いものであることが望ましいです。

積立投資をするうえで重要なのは、「一定額ずつ購入」を必ず守ってください。これを守らないと、ドルコスト平均法の理論的根拠である価格平均化のメリットは得られないと考えたほうがよいでしょう。

銀行や証券会社 には投資信託の自動積立サービスがあるので、それを利用するともっと楽に続けることができます。

◆ドルコスト平均法の注意点

②長期で下がっている商品は買わない
長期で上がっている商品がドルコスト平均法に合っています。長期で見て下がっている商品では購入価格の平均化が機能しないため、不向きです。

③年数や目標を決めておくこと
どんな投資でもいつか終了します。
利益を確定する時がやってきます。

ドルコスト平均法を続けていくと平均化されていきますが、いつやめるかによって最終収支が決まるため、終了時の価格によってはマイナスになってしまうリスクがあります。

あらかじめ年数を決めておいて、その年数満了で新規積立を終了し、配当利回りを生活費に充てるなど、積立を終了したあとのことも考えておきましょう。

資産形成の目標額を達成したらやめるといったように、ただ漫然と続けるのではなく適切なタイミングかつプラス収支で終わるように考えておきましょう。

最後に、

ドルコスト平均法は長期行うことで時間が味方になる投資方法です。

初めるのは簡単なので、ついその事を忘れがちですが、「続ける」事が何より大切です。

本来の目的を忘れてしまって、途中ですぐ辞めたりする人も多いですが、数十年後の自分のためであることを意識しながら淡々と続けることが成功の秘訣です。

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