上質な睡眠をとろう

ストレスと睡眠の関係については、以前お話ししましたが、ではできるだけ上質な睡眠を取るためにどうしたらいいかをお話ししていきたいと思います。

まず、暗さというものが眠るためにはとても重要になります。

起床後、16時間ほどして周囲が暗くなるとメラトニンの合成が促されます。
人は暗くなったら眠くなるようにできているのです。

しかし、夜に強い光を浴び続けると、体は「まだ明るいのか。メラトニンはまだいらないな」と判断し、メラトニンの合成がストップしてしまいます。そうすると、眠気が訪れず、快適な睡眠につくことが難しくなります。

夜の部屋の照明の一部を消したり、間接照明を使ったりしてできるだけ暗くしておいたほうがいいでしょう。

コンビニは24時間営業でとても便利ですが、照明の明るさがとても強いです。
夜、長時間過ごすと、自動的にメラトニンの合成が妨げられてしまうので、遅い時間に行くなら、買い物はできるだけ早めに済ませるのをおすすめします。

また、パソコンやスマートフォンの画面から出るブルーライトも要注意。

ブルーライトをカットするフィルム等もいいが、こうした機器の使用を減らすことも大切です。

また、「寝だめ」もやめた方がいいことの一つです。

平日は、睡眠時間を削って働いて、週末の休みに寝だめする人は多いですが、体内時計がめちゃくちゃになるので、やめたほうがいいです。

体内では時差ぼけのような状況が発生しており、睡眠のリズムが狂ってしまいます。

こうなると体が起床の準備をするためのコンチゾールが十分に分泌されず、交感神経も活性化しにくくなる。そのため、頭がぼんやりして体がだるくなり、調子が出にくくなってしまいます。

週明けの月曜日が憂鬱で仕方ないという「ブルーマンデー」に陥ってしまう人の原因は、寝だめの可能性も大いにある。難しいとは思いますが、平日も休日も同じ時刻に起きることが、結果快適な生活や睡眠に繋がっていきます。

また、睡眠というのはダイエットにも大きく関係しています。寝ないと痩せないと言われています。

食欲にはグレリンとレプチンというホルモンが関わっていて、グレリンは食欲を抑える働きをそれぞれ持っているが、寝不足の状態になるとグレリンが増加してレプチンが減少し、食欲が抑えられなくなってしまいます。

さらに寝不足だと疲れやすく行動的になれないので、エネルギー消費量が落ちてしまい痩せにくくなります。効果的なダイエットをしたいのであれば、睡眠を見直してしっかり寝ることを意識してみてください。

上質な睡眠を取るためには、体温がポイントになります。人間は1日の中で緩やかに体温が変動しています。

起床前が最も低く、午後4時〜6時が1番高くなります。夜になると緩やかに下がっていきます。

体温が下がると眠くなるため、眠りやすくなります。

意図的に体温を上げて、そこから下げていくという落差を作れば眠気を感じやすくなります。

体温を上げるには2つの方法があります。

まずは軽い有酸素運動です。
ウォーキングやジョギングなどを軽く20~30分ほど、じんわり汗をかくくらいで行うと適度に体温が上がります。

最も簡単な方法は、入浴で、半身浴を20分程度すると眠りやすくなります。

どちらの場合も、激しすぎる運動や熱すぎるお風呂では交感神経が優位になるため、逆に寝付けなくなるので気をつけてください。

仕事帰り、ジムで運動した後、ジムのお風呂に入るのもおすすめです。

眠れないときもあると思いますが、無理矢理眠ろう!と頑張るとストレスになって余計眠れなくなりますので、あまり神経質にならない方がいいです。

睡眠不足は良くないですが、明日は7時に起きるから23時に寝よう!と決めても日中の疲れ度合いによって、なかなか寝付けないこともあります。

「このまま眠れなかったらどうしよう」と考えると余計ストレスを感じで覚醒してしまいます。

そうなるよりも、眠気が出たらベッドに入るようにした方が効率がいいです。想定した時間より寝るのが遅くなっても、起床時刻が変わらなければ体内時計は狂いません。

照明を落とし、ゆっくり過ごしながら気長に眠くなるのを待ってみましょう。

また、二度寝というものがありますが、こちらも体内時計の狂う原因になるので、避けたいところです。

最後に、現代社会において、睡眠障害と呼ばれるものがあります。

入眠障害、中途覚醒、早期覚醒など色々な種類があるのですが、1番深刻と言われているのが、睡眠時無呼吸症候群です。

寝ている時に、呼吸が止まる症状のことです。
いびきと日中のひどい眠気があれば、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみた方がいいかもしれません。
日本では男性9%、女性3%の結果となっているそう。

疲労で喉の筋肉や舌がゆるみやすくなると垂れ下がって気道を圧迫し、いびきをかきやすくなる。太っている人は気道にも脂肪がたまって狭くなるのでリスクが高いそう。アジア人は気道が元々狭いので、さらにリスクが上がってしまいます。

睡眠中に気道が完全に塞がると命に関わるので、脳は慌てて覚醒して気道を開いて呼吸を再開させます。
これを繰り返すことになるので、寝ているつもりでも脳はずっと起きているのと同じになり、疲労が取れず、症状が悪化してしまいます。

血管にもストレスが加わり、高血圧や心臓病など生活習慣病のリスクも高くなります。

条件はありますが、保険適用になるケースもあるので、気になる方は早めに睡眠外来の受診をおすすめします。

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