ストレスと睡眠の関係

ストレスと睡眠は大きな関係があります。
効果的な睡眠を取るのが大事ですが、まずは睡眠や脳の仕組みを理解することが必要です。

まず、人間は永遠に起きていることは不可能です。
徹夜をして寝なくても大丈夫なのはせいぜい2日まで。
それ以上になると幻聴や幻視等の症状が起こり、普通の日常生活が送れなくなってしまいます。

脳の構造が関係していて、
眠らない脳と眠らなければいけない脳と分かれているそう。

眠らない脳は、呼吸や体温維持を司る脳。
生命を維持している脳幹部分で、ここが眠ると呼吸ができなくなります。
つまり、1度も休まず死ぬまで働き続ける脳です。

一方で眠らなければならない脳とは、思考や創造、記憶を司る脳。
生活の中でフル活動しており、大量の情報を処理したり、考えたり創造したりと高度な精神活動が可能になる脳。
そのため、起きている時間が長くなるにつれて、脳に疲労がたまり、どんどん動きが鈍ってします。
睡眠という形で定期的に休まないと、正常に機能しなくなってしまいます。

睡眠不足が続くと脳がキャパオーバーになり、理性や思考が働かなくなり、本能が優先となるそう。
結果食欲が抑えられなくなったり、情緒不安定になったり、キレやすいなどコントロールの効かない状況を招いてしまい、非常に悪循環に陥ってしまいます。

ちなみによく聞く海馬というのは、記憶を司る場所ですが、眠っている間にも活発に働きます。
海馬の記憶の整理機能は不要な記憶の消去してくれるので、一夜漬けの勉強より、勉強をしたあとに睡眠を取った方が記憶が定着するのはそのためだそう。

最近よく、ショートスリーパーという言葉を聞きますが、脳の仕組みから考えると短時間睡眠で長時間の疲れを取るのは難しいです。活動時間が長くなればなるほど、疲労回復には時間がかかるからです。日中の疲労を夜の睡眠で解消するという昼行性動物の生理は、どんなに進化しても変わらないためです。

割合で言うと、ショートスリーパーは人口の5%くらい存在するそうで、逆のロングスリーパーも同じく5%だそう。

一般的には7時間くらいが良いとされていますが、ただ、睡眠時間は年齢によって短くなります。
ただし、適正な睡眠時間は個人差があります。

朝、起きた時に眠気やだるさが残っているのであれば、睡眠時間が足りていないかもしれません。もしくは逆に睡眠時間が長すぎてもだるさを感じる時もあります。

自分の1番調子のいい睡眠時間を観察してみてください。

また、ただ寝る時間を調整するだけではなく、「質」も大切です。

これもよく聞く「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が関係しています。

浅い眠りと言われているのがレム睡眠で、深い眠りと言われているのがノンレム睡眠です。

入眠してしばらくすると、まずノンレム睡眠に入ります。
30分くらいかけて最も深い眠りに達します。

そこから60分ほどかけてレム睡眠に入ります。
この90分のサイクルを、眠っている間に繰り返します。

睡眠の質はかなり違いがあり、
レム睡眠のときは目を閉じていても眼球は動き続けていて、脳が活発に働いている。
脳の中では、海馬が活発に動いており、記憶を定着される働きをしている。
最近では、感情的なストレスを和らげる効果があるとも言われています。

一方、ノンレム睡眠の時は、眼球運動が停止しており、脳や体が休息しています。
脳が疲労を回復しているのと同時に、成長ホルモンの分泌が活発になり、筋肉や肌の再生にプラスの影響を与えてくれます。

記憶に関しても重要な働きがあり、レム睡眠が記憶を定着させる一方で、ノンレム睡眠は記憶を統合させる効果があるそう。
起きているときは、リンクできない記憶の断片を寝ている間に脳内のあちこちにある記憶とリンクしてくれる。

睡眠は休息疲労回復の意味合いが強いが、記憶や肌、筋肉の再生なども行ってくれるので、心を休めるレム睡眠と脳や体を休めるノンレム睡眠を上手く働かせて、心身ともに健康になるように頑張ってみましょう。

次に「質のいい睡眠」とは具体的にどういうことでしょうか?

それは、自律神経のバランスがしっかり取れていて、身体的ストレスも修復でき睡眠ということになります。

昼間に活動したり、ストレスを感じたりすると「交感神経」が働きます。
一方で、睡眠中やくつろいでいるときは「副交感神経」が働き、昼のストレスを癒してくれます。

このバランスが取れていれば問題ないですが、
交感神経ばかりが働いていると、身体的ストレスの修復ができずに翌日に疲労や不調を持ち越してしまいます。

以前もお伝えしましたセロトニンを活性化して副交感神経をしっかり働かせることが、良質な睡眠のカギとなります。

人間の体は明るくなると目が覚め、暗くなると眠くなる。
これはメラトニンの働きによっておこります。

これをうまく働かせるためには、セロトニンが重要なカギをにぎっています。
朝、起きて太陽光を浴びると、脳の中ではセロトニンが放出されます。
それによって脳が目覚め、心身ともに活力が出てくるのです。

そして夜、暗くなると脳の中ではセロトニンを材料にして、メラトニンが合成されはじめます。
いよいよ眠る段階になり、証明を消して目を閉じるとメラトニンが分泌されるのです。

メラトニンは脳の松果体から分泌され、対応を下げて眠気をもたらすという働きをします。
分泌される時間帯は午前0時から2時をピークとして、そこからは少しずつ減っていきます。正常に分泌されていれば熟睡でき、身体的ストレスは緩和されます。

朝、目覚めて太陽の光を浴びるとメラトニンの分泌はストップし、代わりにセロトニンの分泌が始まります。
規則正しい生活をしていれば無理矢理起きようとしなくても、ほぼ同じ時間帯に目が覚め、眠くなるのはこういった脳の仕組みによるものです。

「朝起きられない、疲れが取れない」と感じでいる人は、セロトニンやメラトニンが不足している可能性があります。

特に、昼夜逆転の不規則な生活を送っている人は、セロトニン不足からメラトニン不足を引き起こしていて、睡眠のリズムを崩しているかもしれません。

ちなみに、メラトニンは睡眠だけに影響するわけではなく、
免疫力向上や心臓血管系の保護にも効果があると言われています。

老化の原因である活性化酸素を取り除き、アンチエイジング効果もあるホルモンなので、メラトニンを活性化はとても大事なのです。

逆に質の悪い睡眠の原因となるものも知っておく必要があります。

色々な原因がありますが、まず1つご紹介します。

それは、「寝酒」です!

眠れないからアルコールを摂取するという人も多いですが、
質の高い睡眠を目指すのであれば寝る前のアルコールは絶対させたほうがいいです。

なぜなら、酔って眠ると深いノンレム睡眠が減り、浅いレム睡眠が増えてしまうからです。

そうなると、疲労回復が十分に行われないのです。

また、アルコールの利尿作用で、何度も起きてしまうと睡眠不足にもなります。

飲酒することで、睡眠時無呼吸症候群という睡眠障害が悪化する可能性もあるそうです。
食事に合わせて飲酒をするのは構いませんが、寝酒はおすすめできません。

また、夜のカフェインも避けたほうが無難です。
カフェインの作用は4〜5時間と意外と長く続くので、夕方以降は避けたほうが安心です。

寝ているだけでストレスが解消され、健康になれるのであれば、今の生活を少し意識して変えるのも意味のあることだと思います。

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